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遺産相続が心配
遺産分割と成年後見制度
K山さん宅は父Aさん、母Bさん、息子Cさんの3人で賃貸マンションを借りて暮らしていたのですが、病気で父Aさんがお亡くなりになってしまいました。
父Aさんには財産としてコインパーキングの土地を持っていました。
半年経過し父Aさんの供養もひと段落した頃、相続人の母Bさんと息子Cさんは父Aさんの財産について話し合いをしました。その話し合いで、息子Cさんは「父Aさんの相続財産は全部息子Cさんが相続しなさい。 と母Bさんから言われました。
その話し合いから20年が経過したとき、息子Cさんはコインパーキングの土地を売却するために土地の登記名義をかえておきたいと思って、司法書士さんの事務所へ相談に行きました。
そこで息子Cさんは、司法書士さんから、「このままでは土地の名義を息子Cさんにかえることは出来ません。」といわれてしまいました。 母Bさんは3年前から認知症が原因で判断能力がなくなっていたのです。
相続人が認知症などによって判断能力がなくなってしまった場合、遺産の話し合いや相続手続きをするにはどうしたらよいのでしょうか?
成年後見制度を利用して、家庭裁判所でご本人の代わりに手続きを行う成年後見人等を選んでもらう必要があります。
遺産分割をするため成年後見人等が家庭裁判所から選ばれた場合、その手続きが全て終わった後は、成年後見人等を辞めることはできるのでしょうか?
ご本人に判断能力が回復するような場合を除き、ご本人がお亡くなりになるまで成年後見人等としての職務は継続しなければなりませんので、遺産分割などの手続きが終わったからと言って、成年後見人等を辞めることはできません。
成年後見人等を選任できれば、息子Cさんは相続財産の全てをもらうことができるのでしょうか?
原則としてできません。
「息子Cさんに全てを相続させる」旨の遺産についての話し合いがあったことを証明する書類などがない限り、本人の法定相続分は確保しなければならないことになります。
「息子Cさんに全てを相続させる」旨の遺産についての話し合いがあったことを証明する書類などがない限り、本人の法定相続分は確保しなければならないことになります。
成年後見人の選任をしないで対処する方法はないのでしょうか?
ご本人の判断能力がなくなってしまった後では、できることが限られてしまいます。
したがって、生前に遺言書をのこしておく、遺産の話し合いがまとまったときは書類を作成しておくなど、後でトラブルにならないよう、事前にきちんと対策をしておきましょう!
したがって、生前に遺言書をのこしておく、遺産の話し合いがまとまったときは書類を作成しておくなど、後でトラブルにならないよう、事前にきちんと対策をしておきましょう!