もっと知りたい!Q&A

Q

法定後見制度には3類型あるということですが、どのような違いがあるのですか?

A

法定後見制度は、本人の判断能力の程度に応じて、「後見」、「保佐」、「補助」の3つの類型が用意されています。
本人の判断能力の程度に応じて、支援者に求められる支援の程度も異なりますので、3つの類型には、以下のような違いがあります。

法定後見制度3類型の比較

後見 保佐 補助
本人の判断能力の程度 判断能力が欠けているのが通常の状態

ほとんどの契約や手続きを一人で行うことが難しい方
判断能力が著しく不十分

重要な契約や手続きを一人で行うことに心配がある方
判断能力が不十分

一部の重要な契約や手続きを一人で行うことに心配がある方
本人 成年被後見人 被保佐人 被補助人
支援者 成年後見人 保佐人 補助人
監督人(※1) 成年後見監督人
(必要に応じて選任)
保佐監督人
(必要に応じて選任)
補助監督人
(必要に応じて選任)
支援者の権限 取消権(※2)
代理権(※6)
同意権・取消権(重要な法律行為)(※2、※3、※4)
代理権(※6)(申立ての範囲内で裁判所が定めた行為)
同意権・取消権(申立ての範囲内で裁判所が定めた行為)(※2、※5)
代理権(※6)(申立ての範囲内で裁判所が定めた行為)

※1 監督人は、支援者(成年後見人、保佐人、補助人)の事務を監督します。
※2 日用品の購入など、日常生活に関する行為は除かれます。
※3 重要な法律行為(民法131項に記載の行為)は以下のとおりです。
(①元本の領収・利用、②借財、保証、③不動産等の重要な財産の権利の得喪、④訴訟行為、⑤贈与、和解、仲裁合意、⑥相続の承認・放棄、遺産分割、⑦贈与の申込みの拒絶、遺贈の放棄等、⑧新築、改築、増築、大修繕、⑨特定期間を超える賃貸借、⑩上記①から⑨の行為を他人の法定代理人として行うこと)
※4 申立てにより、同意権・取消権の範囲を広げることができる場合があります。
※5 民法131項に記載の行為の一部に限られます。
※6 婚姻、養子縁組などの身分上の行為や遺言などの行為は除かれます。

Q

法定後見制度を利用したいとき、申立てはどこにしたらいいのでしょうか?

A

本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをする必要があります。 管轄が分からない場合は、最寄りの家庭裁判所に問い合わせると教えてもらえますし、最高裁判所のホームページ内にある「裁判所の管轄区域」で、全国の家庭裁判所の管轄区域を調べることができます。 なお、住所地とは、住民票上の住所ではなく、実際に本人が居住している場所です。

Q

誰でも後見等開始の申立てをすることができるのですか?

A

後見等開始の申立てをすることができるのは、
1.本人
2.配偶者(本人の妻又は夫のことです。)
3.四親等内の親族(本人の親・祖父母・子・孫・ひ孫・兄弟姉妹・姪・甥・いとこ等です。)
4.市町村長(一定の要件を満たす場合)
などです。申立てをすることができる人は法律で定められています。

Q

後見等開始の申立てはどのようにしたらいいのでしょうか?

A

後見等開始の申立ては、法定の申立人が、家庭裁判所に申立書を提出して行います。
申立書は、最寄りの家庭裁判所で用紙の交付を受けることもできますし、最高裁判所の後見ポータルサイトからダウンロードすることもできます。申立書の書き方が分からない場合や、添付書類として何が必要か分からない、といった場合には家庭裁判所の家事手続案内を利用したり、最寄りの司法書士や弁護士に相談したりすることも可能です(ただし、通常、司法書士や弁護士の相談料がかかりますので、あらかじめご確認ください)。


※最高裁判所のホームページ内にある「後見ポータルサイト」へ移動します。

Q

後見等開始の申立てにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?

A

後見等開始の申立てに必要な費用は、およそ以下のとおりです。申立てに必要な費用は、原則として申立人が負担します。
・ 申立手数料 → 収入印紙800円分~2,400円分
・ 登記手数料 → 収入印紙2,600円分
・ 郵便切手 → 額・内訳については、各家庭裁判所によって異なりますので、申立て前にご確認ください。
・ 申立書に添付する戸籍謄本などの書類取り寄せ費用
・ 鑑定料 → 事案によって異なりますが、5~10万円程度のことが多いです。
ただし、鑑定が行われない場合は不要です。
司法書士や弁護士に手続きを依頼される場合には、その報酬が別途かかります。

Q

鑑定とは何ですか?

A

先のQ&Aにあるように、法定後見制度には3類型ありますが、本人の判断能力の程度がどの類型にあたるのかを家庭裁判所が最終判断する際に、医学的にも十分確認する必要があるので、医師による鑑定を行うことがあります。
実際には、申立書に添付された診断書で判断できるケースが多く、鑑定が実施されることは少ないのが実情です。

Q

後見等開始の申立てをしてから、実際に成年後見人等が選任されるまでに、どれくらいの時間がかかりますか?

A

事案により異なりますが、必要な書類がすべて整っている標準的なケースで、かつ、家庭裁判所による調査等に困難がなければ、申立てから2~3か月程度で、後見等開始の審判が出ることが多いです。
鑑定を行う場合や、家庭裁判所による更なる調査が必要な場合は、そのための期間の分だけさらに日数がかかります。

Q

成年後見人等が就いた場合、他人に知られることになるのでしょうか?

A

後見等開始の審判がおりて、審判が確定したら、家庭裁判所が東京法務局に後見登記を嘱託し、同登記がなされることになります。この後見登記の内容は、東京法務局後見登録課または全国の法務局・地方法務局の本局の戸籍課で、登記事項証明書の交付申請をすれば確認することができます。
この登記事項証明書には、後見等開始の審判の事件の表示、確定日、本人の氏名・住所・本籍・生年月日、成年後見人等の氏名・住所などが記載されています。
ただし、この登記事項証明書の交付申請ができる人は、本人や成年後見人等、本人の四親等内の親族などに限られており、これらに該当しない方は、登記事項証明書の交付申請をすることができませんので、プライバシー保護にも十分配慮されております。

Q

成年後見人等の仕事について教えてください。

A

成年後見人等は、本人の意思を尊重しながら、本人の身上保護と財産管理を行い、行った業務の内容を、定期的に家庭裁判所に報告しなければなりません。
身上保護というのは、本人の生活や健康、療養等に関する業務のことをいい、具体的には、本人の住居の確保及び生活環境の整備、施設等の入退所の契約、本人の治療や入院等の手続などがこれに当たります。
定期報告をするための準備として、財産管理の面では、財産の動きや収支を明らかにできるように、例えば、金銭出納帳や通帳の記帳、請求書や領収書などの保管をきちんとしておく必要があります。身上保護の面では、本人の治療や介護、生活状況について、成年後見人等として、いつ何を行ったか、本人にどのような変化があったか等、業務日誌をつけておくべきでしょう。

Q

成年後見人等は、就任後、まず何をする必要があるのでしょうか?

A

成年後見人等は、就任後速やかに、面談などを通じて、現在の本人の生活状況や今後の生活上の希望等を確認し、本人の財産、収支を調査して、その内容を正確に把握する必要があります。また、銀行や市役所等の窓口で必要な届出を行い、後見等事務の方針を立てた後、財産目録や収支予定表を作成して、初回報告書とともに、所定の期日までに、家庭裁判所に提出する必要があります。

Q

成年後見人等に、本人の親族や本人の知人がなることは可能ですか?

A

申立書には、申立人が希望する成年後見人等の候補者の氏名を記載することができますが、成年後見人等は、最終的に、家庭裁判所の裁量によって選任されますので、申立書に記載した候補者が、そのまま選任されるとは限りません。
例えば、親族間に争いがある場合や、本人の入所先施設の職員等で、本人と利益が相対立する関係にある場合など、その候補者を選任することがふさわしくないと家庭裁判所が判断した場合には、司法書士、弁護士、社会福祉士など(いわゆる専門職後見人等)が選任されることもあります。

Q

後見制度支援信託及び後見制度支援預貯金について教えてください。

A

成年後見人が適切に成年被後見人の財産を管理するための選択肢として、家庭裁判所が後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金の利用を検討する場合があります。
これらの仕組みは、本人の財産のうち、日常的な支払いをするのに必要十分な金銭を預貯金等として成年後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託財産または特別な預貯金として金融機関が管理するものです。生活費等として成年後見人が設定した金額が、支援信託口座や支援預貯金口座から、本人の普通預金口座に定期的に振り込まれるように設定することもできます。
なお、後見制度支援信託及び後見制度支援預貯金の対象となるのは、法定後見制度の3類型のうち、後見のみであり、保佐及び補助では利用できません。

Q

成年後見監督人、保佐監督人及び補助監督人について教えてください。 

A

成年後見人等の業務の監督は裁判所が行いますが、必要に応じて、家庭裁判所が選んだ監督人に成年後見人等を監督させる場合もあります。
最近では、成年後見人等による不正行為が社会問題となっており、家庭裁判所の後見等監督をより適切に行うことが求められているため、本人の財産額が一定額以上あり、後見制度支援信託・後見制度支援預貯金の利用がない場合に監督人を選任している家庭裁判所が多くなってきています。
監督人には、司法書士、弁護士、社会福祉士等の専門職等,家庭裁判所が適切と認めた人が選任されます。
監督人は、家庭裁判所に報酬付与の申立てを行い、家庭裁判所が定めた報酬額を、本人の財産から受け取ることができます。

Q

後見等が開始した後、本人の所有している自宅を売却して、有料老人ホームへ入所させたいと考えています。どうすればよいでしょうか?

A

成年後見人等は、本人の意思決定を支援し、自己決定を尊重して、本人の利益を図る必要があります。特に、どこで生活をするかという問題は、本人にとって、大変重要な問題ですので、成年後見人等は、この方針が本人の意向に沿っているのか、本人の意思を確認する必要があります。判断能力の問題により、本人の意思決定や本人の意思確認が困難な場合には、本人の意思を推定して判断する必要があります。本人の意思も推定できない場合には、成年後見人等が、本人にとって、何が最善の利益かを検討して判断することになります。
そのうえで、自宅を売却し、施設に入所する方針に決まった場合には、家庭裁判所に、本人の自宅を売却することについて許可を求める必要があります。これは、自宅を処分して生活の本拠を変更することが、本人に重大な影響を及ぼす可能性があるからです。許可申立ての際も、自宅売却の必要性、本人の意思確認の方法や結果、本人に及ぼす影響などについて必要かつ十分に記載することが求められます。

Q

司法書士、弁護士、社会福祉士などが成年後見人等に就いた場合、報酬の支払いはどうなるのでしょうか?

A

民法第862条に、「家庭裁判所は、後見人及び被後見人(「本人」のことです。)の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる。」と規定されています。そして、保佐人及び補助人についても、この規定は準用されています。
具体的には、成年後見人等が家庭裁判所に対し、報酬付与の審判の申立てをし、その申立てを受けて、家庭裁判所が報酬付与の可否及びその金額を決定することになります。この審判なしに成年後見人等が本人の財産から報酬を得ることはできません。
成年後見人等の報酬額の目安については、令和81月現在、一部の家庭裁判所がホームページ上で報酬額の目安を公表しています。その中で、多く見られるのは、概ね以下のような内容です。
・成年後見人等が、通常の後見事務を行った場合の報酬(基本報酬)の目安となる額は月額2万円とするが、管理する財産の額(預貯金及び有価証券等の流動資産の合計額)が1,000万円を超え、5,000万円以下の場合には、基本報酬額の目安を月額3万円~4万円とし、5,000万円を超える場合には、月額5万円~6万円とする。
・成年後見人等が、後見等事務において、特に困難な事情や労力を要した事情があった場合には、その事情を家庭裁判所に説明することにより、一定の範囲内で相当額の報酬が付加される場合がある(付加報酬)。
ただし、以上の内容は、あくまで当該家庭裁判所の目安となる考え方であって、実際は、各家庭裁判所の裁判官が、対象期間中の後見等事務の内容、成年後見人等が管理する本人の財産の内容等を総合的に考慮して、裁量により、各事案における適正妥当な金額を算定しています。
なお、本人の収入・資産状況等により、成年後見人等への報酬の支払いが困難な場合には、報酬助成(成年後見制度利用支援事業)を行っている市町村もあります。

Q

成年後見人等が後見等の業務をするにあたり、郵便切手などの通信費や交通費など、実費がかかることがあると思うのですが、本人の財産から実費の精算をすることは可能でしょうか?

A

後見の事務を行うために必要な費用は、報酬ではないので、家庭裁判所の審判を得ることなく、本人の財産の中から支出して構いません。
成年後見人等が費用を立替払いした場合にも求償できると解されています。但し、例えば、交通費といっても、緊急の事情もないのにタクシー移動した場合など、一般論として、後見等事務に必要な費用であるとはいえない場合には、本人の財産の中から当然に支出することはできません。また、成年後見人等が、マイカーを使って後見事務を行った場合のガソリン代など、実費の計算が難しい場合などは、事前に家庭裁判所に精算方法について案を示すなどして、問題がないか確認をしておいたほうがよいでしょう。

Q

成年後見人等に就いた後、仕事が忙しくなったり、病気になったりした場合、成年後見人等を辞任することはできますか?

A

民法第844条に、「後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。」と規定されています。そして、保佐人及び補助人についても、この規定は準用されています。 この「正当な事由」の有無は、具体的事情ごとに判断されますが、例えば、成年後見人等自身が高齢になったり、病気になったり、遠隔地に住むことになったりした場合など、本人の保護につき必要な配慮をなし得ないようになった場合には、これにあたると解されています。
なお、辞任により新たに成年後見人等を選任する必要が生じたときは、その成年後見人等は、遅滞なく新たな成年後見人等の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。

Q

成年後見人等を辞めさせたい事情が生じた場合、解任することは可能でしょうか?

A

民法第846条に、「後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人(「本人」のことです。)若しくはその親族若しくは検察官の請求により又は職権で、これを解任することができる。」と規定されています。そして、保佐人及び補助人についても、この規定は準用されています。
例えば、成年後見人等による本人の財産の使い込みや、実体と異なる本人の生活費の過大計上等が発覚した場合、成年後見人等としての権限濫用がある場合や家庭裁判所への後見事務の報告を行わなかった場合、などが挙げられます。

Q

任意後見契約はどのように締結するのでしょうか?

A

任意後見契約とは、十分な判断能力がある人が、将来、自己の判断能力が不十分になった場合に備えて、支援をお願いしたい相手(「任意後見受任者」といいます。)との間で、どのような支援をしてもらうのかを、あらかじめ決めておくものです。この任意後見契約は、大変重要な契約ですので、公証人が作成する公正証書によって結ぶ必要があります。
任意後見契約公正証書を作成してもらう公証役場に制限はなく、全国どこの公証役場で作成してもらっても構いません。


※「日本公証人連合会のホームページ」へ移動します。

Q

任意後見人には、どのような権限があるのでしょうか?

A

任意後見契約締結の際は、支援者(任意後見人)に与える代理権の範囲を明確にしておく必要があります。この代理権の範囲の取り決めをするために、代理権目録というものを作成する必要があります。裏返すと、任意後見人は、代理権目録に記載のない事項については何の権限もないことになります。
なお、任意後見人に与えられるのは代理権のみであり、同意権・取消権を与えることはできません。

Q

任意後見人として代理権を行使することができるようになるのは、いつからですか?

A

任意後見契約は、「任意後見監督人」が選任されたときから効力を生じます。 本人(将来の支援を希望していた人)の判断能力が不十分な状況になったときに、本人、配偶者、四親等内の親族または任意後見受任者の申立てにより、家庭裁判所が本人の支援者となる任意後見人を監督する任意後見監督人を選任することで任意後見契約が発効することになります。

Q

任意後見契約を締結しましたが、判断能力は問題ないものの、身体が不自由になったので財産管理等について支援が必要になりました。任意後見受任者に支援を開始してもらうことはできますか?

A

任意後見契約は、判断能力が不十分になり、任意後見監督人が選任されたときから効力を生じる旨の定めのある契約ですので、身体が不自由になったという理由で発効させることはできません。
ただ、任意後見契約と一緒に、任意後見受任者との間で、「任意代理契約」という契約を締結していた場合には、本人が、判断能力の低下がないにもかかわらず、ご高齢、ご病気などの理由で、財産管理等が困難な状況となった場合に、任意後見受任者が、予め任意代理契約に定めた範囲で、ご本人の代理人として必要な行為をすることができることになります。

Q

任意後見人や任意代理人に、死後の葬儀のことや、身辺整理に関する代理権を与えておくことはできるのでしょうか?

A

任意後見契約や任意代理契約は、本人が死亡すると、その時点で終了してしまいます。 ですから、任意後見契約や任意代理契約において、本人の死後の事務に関する代理権を付与することはできません。 そのため、死後の事務についても、信頼できる人にお願いしておきたい場合には、任意後見契約と一緒に、任意後見受任者との間で、「死後事務委任契約」を締結しておかれるとよいと思います。
死後事務委任契約を締結しておくことで、お通夜、葬儀、納骨、永代供養などに関する事務や、最終の医療費や施設利用料などの支払い、家財道具や生活用品などの処分、行政官庁への届出事務などを死後事務受任者に行ってもらうことができます。

成年後見制度無料電話相談

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受付時間:月曜~金曜 13時~16時 ※祝日・年末年始・お盆期間をのぞきます ※諸事情により臨時休止とすることがあります
※相談員への転送電話となります

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